ドイツからAさんご夫妻
やっぱりテレビ東京の番組にはチラッとしか映りませんでした。
特にインタビュー部分は「バッサリ…。」
でも一緒だった神田さんなどは、「キッチリ」と流れてました。
テレビだけではありませんが、相手の要求に合わせた「尺」で喋れる技術も必要ですね。
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当店も皆様方のおかげ様で、「何とか」12月30日でこの1年の営業を終える事ができました。
本当に「何とか」と言うのが本心な、『厳しい』1年でした。バブル崩壊後でも、こんなに『不景気』を身に沁みて感じた年はありません。
ありがたい事に最終日も、「仕事納め」のお寿司の注文が数十人前と、常連さんが何人も見えてくれました。
そして、最後の最後、今年最終のお客様はドイツから来てくれたAさんご夫妻です。
思いおこせば7,8年前、沼津東急での「地酒まつり」で岩瀬さんに紹介していただいたのが最初でした。
その後、何度かお店に来て頂いたのですが、基本的に、お客様とは一緒に飲みに行ったり遊びに行く事は「ほとんど」しない私が、このAさんご夫妻とは「唯一」と言っていいぐらい「牧路」さんや「○庵」さんにもお供させていただきました。
その後お仕事の関係でドイツに5年ほど転勤されていたのですが、毎年クリスマスカードや、アドベンツカレンダーといって、クリスマスまで、1日ごとに日付けを押すとチョコレートが出てくるカレンダーを戴いたりしました。
このたび、来年早々での日本帰国・本社栄転が決まっての一時帰国との事。わざわざ三島にホテルをとって電車で来てくれました。
このAさんご夫妻、日本にいた時は勿論、ドイツ滞在中もヨーロッパ各国を食べ歩くほどの『本物のグルメ』です。
この日もお土産は、ドイツのお菓子色々と、修善寺の名旅館「あさば」さんの椎茸。
竹篭に入ったそれは、椎茸といえども「いったい幾らするの?」と思うほどの分厚さ。
本当に「あさば」に泊まった次の日に、当店でいいのかしら?と真剣に思いました。
東京や京都は勿論、世界?!の名店を食べ歩いている、Aさんご夫妻ですから、今さら私なんかが「無い」ウデを振るっても、かなう訳ありませんので、フグの刺身や白子、鰻の白焼き・サザエ・アン肝・焼き蟹など、「いかにも」の定番モノで、「素直に」素材の味を出すだけです。
ちょっとその気になって、白子を丸ごと1個入れた玉子焼きなんか作りましたが、巻きすに入れて少し置いておいたら、知らぬ間に昌ちゃんが手に持って歩いていてビックリ!少し崩れていたかも…。「余計な事はするな」という意味なのか?
お酒も「黒龍」の「雫」に始まり、「十四代」の「七垂二十貫」・「而今」・「朝日鷹」に「磯自慢」と『いかにも』のメンバー?
前日に「酒のいわせ」さんに行かれているので、岩瀬さんのお酒が殆んど出せないのが「つらい」のですが、変に「凝ったモノ」出すよりも、料理もお酒も「素直に」ストレートにと(海外から帰国直前の)今回は意識しました。
が、流石にAさん。何年も日本を離れているのに、『あ~「而今」ねー。最近人気あるみたいですね。いつかのdancyuに出て以来…』何てサラリと言います。
何で日本にいないのにそんな詳しいの?と思うほど。
と言ってネットや雑誌などの情報だけの「評論家」では無く、(ミシュラン日本版にも否定的(私も!)ですし)、料理やお酒以外の会話を聞いていても、本当に『デキル男だな~』といつも思います。
ここまで読んで60歳位の人を想像するかもしれませんが、何と私と「ほぼ」同い年の40代半ば!
別にお客様だから誉め称える訳ではありませんが、「出世する男」とはこういう人なんだな~、と素直に思います。
このAさん、某大企業にお勤めなのですが、日本にいた頃は『この人重役クラスまでいくな』と思いましたが、海外滞在を経た今、『この人社長になるかも…』と言っても大袈裟では無いと思います。
でも実際お会いすると「普通」の人で、「エリート感」や知識を自慢する雰囲気は「全く」ありません。
あんまり誉め過ぎると、ご本人も気持ち悪いでしょうかが、今年最後に相応しいお客様でした。
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おかげさまで、今年も無事1年過ごす事が出来ました。
本当にありがとうございました。
来年も宜しくお願い申し上げます。