「お米日本一コンテスト」2009②
いよいよ「お米日本一コンテスト」2009のために静岡市へ。
全国38都道府県より、387点のお米が出品され、まずは栽培履歴の書類審査で一次審査をします。
二次審査として、3社の食味評価機の平均値で上位30点を選出し、最終審査は15名の審査員が「人間の舌」で判断します。
その審査員とは、食味鑑定士や(財)穀物検定協会の人、お米マイスターなどの「プロ」の審査員の中に、なぜか私が紛れ込んで?います。
各5名の3班に分かれ、1回4~6種類のご飯を予選・準決勝・決勝と「ただひたすら」試食し、10分間の間に採点しなければなりません。
オカズは勿論、塩さえも無く(水のみ)ご飯を食べ続けるので、途中から本当に苦しくなります。
でも我々よりも、裏方の方が大変だと思います。
何せ、何十台もの炊飯器で、様々なお米を、同じ時間・同じ条件で炊き上げて、審査員の元に運ばなければならないのですから。
静岡県立大の学生の方々と、県の職員さんが、「その道に通じた」先生のもと、ストップウォッチ片手に頑張ってくれます。
決勝は最後まで残った6点を審査員15名全員で食べます。
今まで何十点も(しかも殆んどコシヒカリ)を食べた後なのですが、逆に、ここまで来ると「あっ!この米は…」と微妙な違いが解ってくるような?気がします。
日本酒の場合もそうなのですが、以外にも重要なのは、「香り」特にトップノ―ズと呼ばれる「最初の」「臭い」です。
今回も決勝6点に唯一「コシヒカリ」以外に残った「ひとめぼれ」が、最初の香りが微妙に違った感じがして、すぐ?解りました。(勿論予選から全て目隠しというか、品種すら知らされません。)
そして最優秀賞の、群馬県川場村の「川場村雪ほたか生産組合・長谷川けい子さん」の造ったコシヒカリは見事でした。
決勝6点の中でも明らかに飛び抜けた「バランスの良さ」。(これも日本酒と同じです)
コシヒカリ特有のイイ「香り」ながら、変に強い「臭い」でも無く、しっかりとした「固さ」が在りながら「硬くなく」、ちゃんと「粘り」がありながら「粘り過ぎず」、そして勿論「うまみ」がありながら「旨すぎず」、なおかつ次の「何かを」思う「奥の深さ」を感じます。
なーんて評論家や審査員!?のようなこと書いていますが、
実はこのお米には、感動的なドラマが隠されていました。
この日本一になった群馬県川場村の長谷川けい子さん、実は何と米造り「1年目」なのです!というのも、昨年まで優秀なお米を造っていたお兄さんが「不慮の事故」で亡くなったので、その妹さんが跡を継いだという事です。
思わず「白隠正宗」さんのある日のブログを思い出しました。http://hakuinmasamun.jugem.jp/
「酒造りは毎年一年生だから」
いや、酒造りばかりではありません。日本料理も、いや、世の中全てのモノが一つとして同じ物が無いのかもしれません。
と、哲学や思想みたいな事を語ってしまうほど、今回は印象的なコンテストでした。川場村に縁があった審査員の一人なんて思わず涙を流していました。
そうそう、我が御殿場コシヒカリは残念ながらベスト30には入りませんでしたが、しっかり「県知事賞」は取りました。
恐らく今年も「6年連続静岡県知事賞受賞!」なんて派手なコピーで宣伝するでしょうが、県知事賞=静岡県で1番という事で、それはそれで凄い事かもしれませんが、「全国」で言えば、ベスト30の予選にすら残れませんでした。数年前は何度かベスト6位まで残った事を考えてみると、本当に「日本一」を目指すなら、今一度「戦略」を考え直す必要があるかもしれません。
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